11月3日文化の日は11月文楽公演第一部へ。

PB040152

お席中央一列17番にて

◆八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)

靖さん正清貫禄ありました。
この方の語りは聞くたびにどんどん良くなってる気がします。
咲甫さんもいい。清介さんのお三味さんはいつもながら美しく。

玉男正清抑えた遣いながらどっしりとした重厚感、
玉志義弘、玉也灘右衛門、幸助主計之助、立役3人の抜群の安定感、
そして勘壽さん柵。とても贅沢な配役でした。

時代物はストーリーが複雑で、一度見ただけでは
なかなか難しいこともありますが、やっぱりカッコええですね(*´ω`*)

20171101

◆鑓の権三重帷子

年増女の邪な情念にイケメン若侍の出世欲が絡め取られた挙句
周囲を不幸のどん底に陥れ殺されるという救いようのないストーリー。

タイトルは

「槍の権左と謳われるほどの槍の名手でイケメンで茶道で将来有望な侍でも
一歩間違えれば帷子のような単衣の普段着を着たまま妻敵として殺され
河原で女と重なりゴミのように死んでいく。くわばらくわばら。」

みたいな感じになりましょうか。

そんなお話ですが、この文楽はとても美しいのです。浄瑠璃も舞台も。
津駒さん、寛治さん、咲さん、燕三さん、じっくり聞かせてくれました。

◆浅香市之進留守宅の段

表向きはたいそう立派な武家の奥方、
37歳酉年生まれの女ざかり、おさゐのにじみ出る権左への想い。

「ほんに母が独り身ならば、人手に渡す権左様ぢゃないわいの」

権左との結婚を嫌がる娘にホホホと笑った後で
権左とお雪の仲人を頼まれ嫉妬に火が付き
数寄屋で権左にガソリンを投入され、年増女の妬み心は大炎上。
やがて救いようのない悲劇へと。

和生師、勘十郎さんがエエのはもちろんのこと、
久しぶりに簑紫郎君の主遣い見られてよかったです。
玉佳さんは老いたイケメンをエエ感じに遣うていやはりました。

◆数寄屋の段



嫉妬の鬼となり自分の帯を解き

「一念の蛇となって腰に巻き付き離れぬ」

権左に投げつける和生師おさゐ

「二重廻りの女帯いたしたことはござらぬ」

投げ捨てる勘十郎権左。

この段の絡みは最高です。

床本から聞き所を抜き出そうとしたらほとんど全部になってしまうよし
ぜひぜひ文楽劇場へお運びあそばして
ドロッドロの女の情念をご堪能くださいませ(`・ω・´)キリッ

◆伏見京橋女敵討ちの段



そしてたどり着いた伏見の河原。
盆踊りの賑わいの中、問答無用に殺される2人。
こんな救いようのないラストシーンがなんとも儚く美しい。

この段は楽曲が本当に美しく、「惨殺」というてもエエような
しんどいシーンにも関わらず、その美しさにウットリ聞き惚れ
見とれてしまいます。

幕見でもいい。もう一度じっくり聴きたいシーンです。

今回はイタリア人の知り合いをアテンドするために
ウチ自身も槍の権左に関しては事前に少し勉強をしました。
(八陣守護城は資料が無くてできひんかった(;´Д`))

わかりやすい話やし、事前に情報があれば外国人でも楽しめるやろと
相関図もこさえてみました。ウチの解釈やからおかしいトコもあるし
英語もめちゃめちゃやけど

yarinogonza

これが役に立ったか否かは甚だ疑問ですが(;´Д`)
アテンドしたイタリア人も、槍の権左は十分に堪能していたようでした。

文楽の後は道頓堀、御堂筋、アップルストアを経由して
心斎橋から地下鉄に乗り淀屋橋、中之島の中央公会堂へ。

「アレッサンドロ・バリッコ - 藤井泰子対談『オペラについて』」に
伺いました。(主催:イタリア文化会館)


人間の持つどうしようもない情、欲が生み出す悲劇。
オペラと文楽、表現の仕方は違えど「人間の根っこ」というのは
洋の東西を問わず同じやなあと思わされたことでした。

バリッコ氏のお祖父様世代は、夜になればオペラに出かけ
その後、お友達とお酒を飲み夜遊びして帰る、ということが多かったそうです。
形見の楽譜には何やらメモが沢山あったとか。庶民の娯楽やったんですね。

ただ最近は、オペラから人の足が遠のいて残念や、というようなことも
言うてはりました。

こういう点も文楽と凄く似ています。
もともと庶民の楽しみやったもんが、
ある時期にちょっと距離ができてしもうたんや。
文楽に関しては、ここ数年、技芸員さんがホンマにお気張りあそばして
劇場へ足を運ぶ方は増えてきたような気がします。嬉しいことです。

◆お着付けはパーマ屋さんに頂いた付下げ小紋、
お客様に頂いた名古屋の洒落帯で。
白のお草履をあわせていきました。

PB030141

帰宅後に写真を撮ったのでかなり崩れております。
朝9時に着付けて文楽⇒道頓堀⇒御堂筋⇒中之島中央公会堂
⇒酒⇒梅田まで歩いて阪急電車⇒帰宅したのは午後10時。

13時間でこの崩れはまあ許容範囲。
ということにしておきましょう(〃∇〃)